Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第53章 板挟み
「おい、早く教えてくれよ。俺はあの女に対して、何をどうすりゃ問題なく帰ってこられる?そしてあの女を納得させて無事に資金繰りも続けさせることができるんだ?」
「・・・」
「答えられねぇってことは、俺があの女を抱くしかねぇよな?それしか手段がねぇ場合、お前はそれを大人しく承諾すんのか?」
ルーナは額に手を置いて俯いてしばらく考え込んでから、また顔を上げた。
「それしか…ない場合は…
私だってあなたが言うようなガキ…じゃないんだし。つべこべ言わないよ…」
その瞬間にリヴァイの表情がガラッと変わった。
目を見開いて全身から憎悪を醸し出すような気迫にバリスはゾッとする。
「おい…てめぇそれ…本気で言ってんのか?」
誰もが怯むような、奥から絞り出した低い声色。
ルーナは黙ったまま冷や汗を流し、リヴァイを真剣な目でジッと見つめている。
「俺が逆の立場だったら許さねぇぞ?いくら理由があるとはいえ、てめぇが俺以外の奴に体開いてたら…俺はそいつを殺すしてめぇのことも殺しちまうかもしれねぇ…」
見開いた目は血走っている。
ルーナのそんな状況を想像しただけでこんなに凄まじい気迫になる。
リヴァイを纏っている空気だけこの世のものとは思えないくらいのどす黒い色が漂っているように見え、バリスは1ミリも動けなくなった。
「リヴァイ…わかってよ。私たち、もういい大人でしょ?」
その瞬間、ついにリヴァイがルーナの胸ぐらを掴んだ。
「てめぇいい加減にしろ!好きな女、ましてや妻からそんなことを言われてなぁ、俺が簡単に従えると思うか?!俺の気持ちは無視か!!」
「兵長!!ま、待ってください!」
バリスは必死にリヴァイの手を掴み、引き離そうとするがビクともしない。
「んぐっ…わかっ…てる…気持ちくらい…でもっ…」
「まだ言うのかよてめぇは!!俺を道具扱いしてんのか?!」
「うっ…ちがっ……」
「兵長っ!!」
リヴァイの腕と肩を必死に押しやりながらバリスは思った。
確かに、愛する人から体を開きに行ってこいなどと言われて怒らないはずがない。
それにこれはあまりにも残酷なことだ。
なにより傷つくのは当たり前だろう。