Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第53章 板挟み
「わぁ〜ありがとう!今回は何かなぁ?」
「あの綺麗な姉ちゃん、また来たんだぁ〜」
「今回は見られなかったな。また父さ…リヴァイが目的か」
ロジーネ、レオン、ブルーノは口々に言って菓子を頬張り始める。
その近くでフロックやヴィムたちも同じような内容を喋りながらガツガツと脳に糖分を補給している。
他の兵士たちも、訓練終わりの溜まり場で水を飲みながらそれを口に入れ皆その事で話は盛り上がっていた。
「どうやらあのお嬢様は上級貴族の娘らしいぞ」
「毎回リヴァイ兵長目的で押しかけてきているらしいじゃないか。」
「俺は見たぞ!兵長がその娘にキスしているところ!」
「ええっ!!キ、キス?!」
「俺も見た!しかもその娘はかなりの美人なんだ!」
「だが、兵長にはルーナさんの存在があるのに…一体どういうことなんですか?バリスさんっ!」
バリスは顔を洗ったあとタオルで拭きながら苛立ったような顔を向ける。
「夫妻にもいろいろとお考えがあるんだ。君らが今もこうして雷槍やら射撃やらの訓練をしていられるのも、あの兵長の行動あってのものだ。少しは察しろ。」
その言葉で兵士たちは目を丸くして顔を見合せた。
なるほど…と誰もが理解する。
「それから声がデカいぞ。兵長夫妻のことを心配しているのなら、俺たちはただ目の前のことに真剣に取り組み、いざ戦いの場になった時お二人の足でまといにならないように努力する。そして生き残ることだ。」
皆が真剣な表情で頷いたかと思えば、すぐさま立ち上がって敬礼の姿勢をとり始めたのでバリスは振り返る。
「っっ…!」
いつの間にかルーナが背後にいて腰を抜かしそうになる。
リヴァイ兵長といいルーナさんといい、本当に2人はなんの気配もなしに背後に迫ることができるんだな…
「あ、いいのいいのもう訓練は終わったんだから」
皆の敬礼の姿勢を制してから、バリスに ちょっと来てと耳打ちして踵を返した。