Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第8章 帰還■
「それは・・・」
ルーナが取り出した小瓶には、見覚えのある赤い髪の毛と金混じりの銀髪の髪の毛がそれぞれ糸で結ばれて入れられていた。
「ちょうどいい入れ物が、私の持ってる医療用の瓶しかなかったから...」
ルーナは瓶を握りながら悔しそうに言った。
「これしか持って帰れるものなくて...もし2人の荷物を全部処分するなら、せめてこれだけは取っておいてあげてよ...」
そう言ってルーナは下着だけ身に付けると立ち上がり、瓶をリヴァイの机に置いた。
リヴァイは肘をついてベットに寝そべったまま言った。
「おい待て。そこに置かずに引き出しに入れておいてくれ。今はまだ...それを見る気にはなれねぇんだ.....」
ハッとしたルーナはリヴァイを振り返った。
そうだ...リヴァイの気持ちをちゃんと考えずになんて自分は愚かなのだろう。
愛していた2人の無残な死を、まだ受け止めきれていないはずなのに...
「ごめん、そうだよね...じゃあ引き出しに入れとくね」
そう言って引き出しを引くと、ナイフが2つ入っていた。
さやもなく、剥き出しのそれは鋭い切っ先をキラリと光らせている。
ルーナは地下街でリヴァイがエルヴィンに振り回していたあのときのナイフかなとチラと脳裏に記憶が掠った。
「...これって...」
リヴァイはルーナが手を止め見つめているものに気づき、
「あぁ、護身用だ」
とだけ言った。
「どうして二つあるの?」
「1つは俺ので、もう1つは俺がガキの頃一緒に暮らしてた男に貰ったものだ」
「へぇー」
そう言ってルーナは勝手にナイフを1つ手に取った。