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Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛

第8章 帰還■


すると、うっすらとリヴァイが目を開いた。

ルーナは急いで撫でていた手を止め、「ごっごめん、起こしちゃった」と言うと、リヴァイは頬に置いてあるルーナの手をそのまま握り、自身の唇に持っていった。


ルーナは手にかかるリヴァイの息と、柔らかい唇の感触に、小さく笑みを零した。


「リヴァイの寝顔ってさ、すごく可愛いんだね。まるで赤ちゃんみたいで」


「ーッ・・・あぁ?」

唇を当てていたルーナの手を離し、戸惑うような難しい顔をするリヴァイ。


「ごめんごめんっ、からかってるわけじゃないんだよ?ただリヴァイって、いっつも難しい顔してるでしょ?」


「・・・悪かったな。俺は感情を顔に出すのが得意じゃない」


「ふふ...でも・・・私もリヴァイの泣いてる顔、ちょっと...見てみたいかな...」


リヴァイが悲しむのは嫌だけどね。そう付け加えてリヴァイの額にかかっている前髪をそっとどかした。

「俺はお前を泣かせてぇ…」

「…え?」

掠れたような小さな声がよく聞こえなくてルーナはまた口を開きかけた。


「それよりお前、怪我は大丈夫か?昨夜は...すまない...無理をさせたな」

リヴァイは眉を寄せルーナの肩に目をやる。


「えぇ?全然大丈夫だって言ったじゃん。なんかもうなんともないくらいに平気!一応しばらくは訓練控えるけど。」

そう言ってルーナはにっこりと笑顔を向けた。


「……」

なぜこいつは…いつどんなときもこんな顔ができるんだ?

この態度に救われてる奴はきっとごまんといるだろう。

だが、本人はどうだ?
救われているはずがない。
無理をしている時も多いに決まっている。
自分の感情をただただ押し殺して……



ルーナがエルヴィンを庇って負った怪我とはいえ、自分が彼女を傷つけた。
そのことに責任を感じずにはいられないリヴァイは、はぁーと小さくため息をついた。


「あぁ!そういえば!」

ルーナは何かを思い出したように声を上げると、脱ぎ捨ててある自分の上着に手を伸ばした。
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