Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第52章 新月■
「はぁ…俺が目を離していたスキに、随分と甘ったれになったもんだな…」
「ずっと離れていたんだから少しくらい甘えさせてくれてもいいでしょ…」
ふっと笑ってリヴァイはまた口付けをする。
このまま抱き潰したい…
散々溜めてきてしまった情欲を今すぐに解放したい…
しかし、僅かな理性がそれを押しとどめた。
音を立てて唇が剥がれる。
ルーナは眉を寄せ懇願するように切ない顔で見上げている。
それだけでリヴァイは目眩を引き起こしそうになり、上半身を起こして上を見上げ、ゆっくり深呼吸した。
「…リヴァイ?」
見下ろすと、まだ欲望を駆り立ててくるその顔でルーナが見つめている。
滾ってくる欲を強靭な精神で抑え込むと、リヴァイは言った。
「お前のことを今すぐめちゃくちゃに可愛がってやりてぇが…まずはハンジの所へ連れていかねぇとな。」
「あ、そっか…そうだよね。」
ルーナは急いで起き上がった。
こんなことをしている場合ではない。
きちんと報告を聞かなくては…
ふと視線を移すと、たちまち複雑そうな表情になっているリヴァイがいる。
やはり予想通りのことが起きてしまったんだろうか…
ハンジの部屋のソファーで3人が神妙な面持ちで向かい合う。
「私たちはまず、国際討論会で初めて登壇するユミルの民保護団体とやらを求めて出席したんだが…結論から言って、とてもじゃないけどこちらが和平を望んでいるだなんて表明できるような状況じゃなかった。」
「じゃあ…和平の道を諦めるしかないってこと?ジークの謀略に加担して、この島の運命を委ねて、ヒストリアと生まれてくるであろう子供たちを犠牲にするしか?」
ルーナのその言葉に、ハンジは短く息を吐いた。
「今のところは手立てがないと思った。その団体と我々が相まみえることができると思っていたが、無理だったんだ…」