第3章 アレイト恋騒動。
「ねえねえっ!どうしたの?」
笑顔で話に入ってきたリーナに数人の女子はびくりと肩を揺らす。
そして一人の女子、ケイトリンが口を開いた。
「…なんか、アレイトが教官に怒られてたんだって……」
長いしなやかな金髪を揺らしながらケイトリンは言った。
「アレイトって、すごい実力者だったじゃない?…10番以内に確実に入るような。…でも今回の馬術の訓練で…」
リーナは気が強そうな眉をぴくりと動かすと静かに尋ねた。
「………馬術……?」
いぶかしげに聞くリーナにケイトリンは「そうそう」と相槌を打つ。
リーナの鼓動は早くなる一方だ。
「…なんでも、補食用の餌を用意してなかったみたいで…」
「……用意?」
リーナは頭に浮かんだ質問をケイトリンにぶつける。