第3章 アレイト恋騒動。
_______________
_________
__________
馬術訓練時。
「おい、リーナ。お前の馬の餌は?どうしたんだよ」
「………あ、アレイト……どうしよう…用意されてなかったんだけど……」
リーナはいつもの威勢のいい顔ではなく、不安で押し潰されそうな表情をアレイトに向けた。
アレイト・サレスターはそんなリーナを見て一瞬戸惑った顔をしたがまた直ぐに切り替えて自分の馬の餌が入った袋を取り出した。
「…あ、アレイト…?」
「ほら、やるよっ」
そういってアレイトはリーナにぶっきらぼうに袋を渡した。
しかしリーナはそれを受け取ることを拒んだ。
「…なんでよ、そしたらアレイトが教官のチェックに引っ掛かるじゃんか…!!」
「いいんだよ。俺はもうチェック済みだから」
その言葉にリーナの心は一気に軽くなった。
「そうなの?…じゃぁ、悪いけど貰ってもいいの…?」
「…ああ。持ってけ」
そういってアレイトは袋をリーナの手に置くと「じゃあ俺はもどるわ」と馬を連れて遠くの方にいってしまった。
リーナのチェックはアレイトのおかげでなんとか免れた。
(…今度アレイトにお礼をしなきゃ)
そんな思いを胸に何気なく宿舎の通路を歩いていたところ、同じ訓練兵の女子が数人集まった場所があった。
何を話しているのか気になりリーナはその場に明るく入った。