第2章 初めて
「おいおい正気か?」
突然降りかかった声に四人は後ろを向く。
そこには頬杖をかいていかにも余裕をぶっこいている男がいた。
______________ジャン・キルシュタイン。
今日の通過儀礼で教官の前ながら憲兵団に入りたいと抜かして頭突きを食らっていた少年だ。
その少年、ジャンは、いかにもバカにしたかのようにエレンに向かって口を開いた。
「…今、調査兵団に入りたいと聞こえたんだが?」
ジャンはティースプーンを右手に持ち体を反転しているエレンをじっくりと見据えた。
「……あぁ、そうだが……お前は確か憲兵団に入って楽したいんだっけな」
ジャンの態度に臆することなくエレンも反抗的な態度を構わず取った。
そんな二人にケイトは少々焦った。
(…またエレンは…っ!)
昔から売られた喧嘩は構わず買ってしまうその性格をケイトはよく知っていた。
このエレンが今からこの馬面と話し合いでもすると誰が思うか。
答えは否だ。