第2章 初めて
「………何、思い詰めた顔してんだよ…」
「…ふぇ?」
ケイトは意外な言葉に耳を疑った。
(思い詰めてた?私が?)
「…そんなこと、ないひ……」
エレンの腕を先程よりも強く握り、離してほしいと懇願するも、やはりエレンは真剣な表情のまま、ケイトの頬をふにふにと触る。
「…お前、自分では気づいてないみたいだけどな、思い詰めた事考える時、頬杖かいてあさっての方向むいてんだよ…なぁアルミン」
突然話を振られたアルミンは一瞬スープをスプーンから溢しそうになったが、くっと堪えて意味も分からない会話に「…あ、あぁっ、そうだね…」と適当に合わせていた。
絶対意味わかってないだろ…とケイトは思ったが敢えて言わなかった。
するとふと頬の痛みが消えた。
エレンは手を離すとケイトの頬に手の甲を押し付け、撫でる。
まだヒリヒリするそこにその感触は嬉しかった。
そしてエレンは少し悔しそうな表情でケイトを見て言葉を放つ。
「……そんな思い詰める様な事があるなら俺に言えよ…相談にのるからよ」
え、エレンが相談って………と頭でそんな言葉がよぎったが口にはしなかった。のだが、ミカサはやはり間髪入れずに突っ込んだ。
「……エレンが相談にのるとかはあり得ない」
「は、はぁ!?何だよミカサ!何で俺が相談なんかできねえみたいに言うんだよ!俺だって相談のひとつやふたつ………」
「………出来ない」