第2章 初めて
「良かったな!どうかつ無くて」
訓練兵初日の大半が終わろうとしていた頃、エレン達は大広間で夕飯を食べていた。
エレンとミカサとアルミンとケイト。勿論この四人は一緒の食卓についている。
夕食の時間も半分と過ぎようとしていた時、今日の通過儀礼のことについてエレンが話題をあげた。
「いいよね…三人共何もなかったんだよね?……僕なんか巨人のえさだよ……」
「…あー、アルミンはけっこう叫ばれてたな。ははっ」
「…エレン、パンくずこぼしてる…」
「おぉっ、わりっ」
目の前で繰り広げられる幼馴染みのやり取りを見てケイトは温かい気持ちになりながらスープを口に運んでいた。
そして、今日何故自分がどうかつされなかったのかを考えていた。
あのどうかつは何が基準でされるのか、されないのか。
ケイトは全くわかっていなかった。
すると向かいの席のエレンに頬を不意に触られた。
そのまま指で軽く摘まむと横に引っ張り出した。