皆に溺愛されている件について 【ONEPIECE 短編集】
第15章 券 【青キジ(クザン)】
*
「…」(暇だ…。)
やることを全て彼に押し付けたので、私は1日暇になってしまった。稽古をしようにも、彼のことが心配できっと集中できない。
「…」(もうお昼か……仕事を始めて3時間…もうやめてるんだろうなぁ…。)
そう思い、彼の部屋に向かった。ドアをノックすると「はぁい。」と気の抜けた声が聞こえた。
「ナツキです。入りますよ。」
ドアを開けると、険しい表情をしたクザンさんが書類とにらめっこをしていた。
「…」(まだやってる……え…それに半分終わってる…。)
クザン「どうしたの~?俺に会いたくなっちゃった?」
「…書類の進み具合を見に来たんです…。サボってるかと思いました。」
クザン「まさかぁ~?俺は欲しいもん手に入れるためなら頑張っちゃうよ?」
「…1日独占できる券なんて…欲しいんですか…?」
クザン「そりゃ欲しいでしょうよ。好きな子は独占したいし。」
「…!?」
クザン「あららぁ、その顔だと…気づいてなかったみたいだね~?」
口角を上げ、私を見つめる彼。
「あ…当たり前ですよ…。」
クザン「まぁそういうことだから。俺は今日1日頑張っちゃうよ~?」