皆に溺愛されている件について 【ONEPIECE 短編集】
第15章 券 【青キジ(クザン)】
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「はぁ…はぁ…。」
クザン「お嬢ちゃん、弱いね。頭が良いだけなの~?」
「!…」
女海兵なんてそういない。それでも私は悪い人を捕まえられるような海兵になりたかった。
「っ…ほっといて…ください…。」
夜、1人で訓練をしている道場で話しかけられた時は「なぜ大将が私なんかに…?」と思ったけれど、これは彼の気まぐれだったらしい。
クザン「あららぁ…いいねぇ、そういう強気な女の子、俺大好きよ?」
「っ…。」
クザン「ところでお嬢ちゃん、俺の書類整理してくれない?」
「……はい?」
クザン「俺さ、海賊取り締まるのは…まぁなんつーか、好きではないんだけど…書類整理するよりはマシだし…書類見てると眠くなっちゃうんだよね~。」
「…?」
言っていることが…理解できなかった。そもそも大将の目に入るような書類を、雑用しかやっていない私が見て良いものなのか……。
クザン「俺が上に話して個別の部屋も用意してもらうようにするし、必要なら俺が稽古つけてあげるよ~?」
「!…稽古……。」
クザン「どう?」
「…わ…わかりました…。」