皆に溺愛されている件について 【ONEPIECE 短編集】
第13章 我慢 【ドンキホーテ・ドフラミンゴ】
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20分ほど経って、ドフィが王宮に戻ってきた。両脇にはそれぞれ女の人がドフィの腕を抱きしめるようにして歩いていた。
「…」(酷いなぁ…ホントに…。)
私は彼女ではないのか。それとも、彼にとっては彼女なんてたくさんいて、その中の1人なのだろうか。私がコラソンや他の異性と出かけようとすると怒るくせに…。
ドフラミンゴ「で、話ってなんだ?」
彼はソファーに腰をおろし、ニヤリと笑みを浮かべて私を見つめた。女性もソファーに座り、うっとりとした目でドフィを見つめていた。
「…」
ドフラミンゴ「…なんだ?そんなところに突っ立ってないでもっとこっちへ来い。」
「いえ、ここで結構です。」
ドフラミンゴ「…」
ドフィの額に青筋が浮かんだ。なぜそうなったのかはだいたい予想がつく。敬語なのと、初めてドフィの言うことに逆らったから。
「…もう終わりにしよ?」
ドフラミンゴ「あ?」
「…別れよう。」
ドフラミンゴ「!…」
もうすっかり笑みは消え、ほんの少しだけ口が開いていた。