皆に溺愛されている件について 【ONEPIECE 短編集】
第11章 寵愛 【ロブ・ルッチ】
「っ…。」
私はなんとか起き上がり、座って話を聞いた。
ルッチ「…」
「…あの…迷惑かけて…すみませんでした…。」
謝罪をしても、彼の表情が変わることは無かった。怒っているのではなく、悲しそうな…苦しそうな表情だった。
「あの…。」
すると、彼は膝をベッドに付け、私を抱きしめた。
ルッチ「…俺の知らないところで、勝手に死ぬな。殺されそうになるな…。」
「!…」
彼は優しく抱きしめて、頭を撫でてくれた。
「!…っ…ごめん…なさ…っ…。」
あふれた涙が、ボロボロと零れ落ちた。
*
10分ほど抱きしめられていた。でも離された後、一言叱られ、彼は部屋を出ていった。
「…嫌われた…かな…。」
怪我が治ったら、彼に殺されてしまうのだろうか…。
ふとそんなことを考えていると、ドアをノックされ、少将が入ってきた。
少将「お守りできず、申し訳ございませんでした。」
「!…あ…っ…い、いえ…こちらこそ…足を引っ張ってしまって…すみませんでした…。」
彼も腕に包帯を巻いていた。