皆に溺愛されている件について 【ONEPIECE 短編集】
第8章 総監の猫 【ロブ・ルッチ】
「じゃあ、もう帰る。」
カリファ「ま…待って…ください。」
「…?」
カリファ「…っ…。」
「…」
カリファの表情を見る限り、言いたいことがわかる。この"猛獣"をこのままにして帰らないでほしい。と…。
だとしても私にはどうすることも出来ない。もう襲われてしまったのだから。
「…」(あぁ…そういえば…。)
鏡を見たときに思い出した。海賊達に傷を付けられた場所は、彼がキスマークを付けた部分だった…と。でも今は、傷が残っているだけで、彼の付けた跡は無くなっていた。
ルッチ「殺しに行く。」
彼は一言そう言い、部屋を出ていった。
「ちょっ…!」
私はその背中を追いかけた。
「ま、待って…もう何もされてないし…その海賊はもうこの町にはいないから!」
そう伝えると、彼は足を止めた。
ルッチ「…どんな顔をしていたんですか?」
「…何が?」
ルッチ「…あなたは…その下衆な奴らに襲われた時、どんな顔をしていたんですか。」
「どんな…って…。」
ただ…ひたすらに気持ち悪かった。気持ち良いと…全く思えなかった。