皆に溺愛されている件について 【ONEPIECE 短編集】
第6章 天竜人 【ロブ・ルッチ】
ルッチ「どけ、そのガキは殺しておく必要がある。」
母親「!…ど、どうかお許しください!」
「…」
聞く耳を持たないルッチ。
「やめなさい!」
ルッチ「…」
ピタリと動きが止まった。
「…」
私は彼の横を通り過ぎ、母親の前に膝をついた。
「顔をあげてください。」
母親「!…」
「…なぜ、あなたのお子さんは私にナイフを?」
母親「っ…ぁ……ユヅの…父親は…天竜人に……殺されてしまって……も、申し訳ございません!!今後はこのようなことが無いよう、しっかりと躾を」
「すみませんでした。」
私は額を地面につけ、土下座をした。
母親「!…そ、そんなっ…!お、お顔をあげてください!!」
街にいた人達全員がざわめき出した。
住人A「て、天竜人が…土下座?」
住人B「ど、どうなってんだいったい…。」
住人C「どういうことだ…!?」
「…」
私は顔をあげた。
「私達世界貴族の身勝手で、大切な方のお命、奪ってしまったこと、本当に申し訳ない……すみませんでした。」
母親「!…」
ボロボロと涙をこぼす母親。
少年「返せ!!俺の父ちゃん返せよ!!」
子供は、泣きながら私の膝を何度も叩いた。
「ごめん……ごめんね…。」
ただひたすらに、謝ることしかできなかった。