皆に溺愛されている件について 【ONEPIECE 短編集】
第6章 天竜人 【ロブ・ルッチ】
「…」
私は彼を無視して歩き始めた。街に出ると、私の顔を見るなり、皆が土下座をする。
「っ…。」
見たくもない光景。
ルッチ「これが、あなたの力だ。」
「!……まだ…いたの?」
さっきの男性。後ろをついてきていたらしい。真っ白なスーツに身をまとい、肩にはハト。
「…私は天竜人を辞める。」
ルッチ「それは許されない。」
「っ……なら……死ぬまで。」
私は彼に背を向け、歩き出した。
ルッチ「なぜ神であることを嫌がる。」
「…神?世界貴族が?」
ルッチ「…」
立ち止まり、彼を睨みつけた。
「こんな、何もできない口だけの世界貴族達が、なぜこの世界の頂点に立っているのかがわからない。人間は皆同じなのに、人に価値を付けて、奴隷にして……何を考えているのかわからない。」
ルッチ「…だが」
少年「うおおおっ!!」
「!…」
彼が口を開いた時だった。家の中から男の子がナイフを持ってこちらに向かって走ってきた。
「!…」
すると彼は素早く行動し、その男の子を蹴り飛ばした。
少年「うあっ!!」
母親「!…ユヅ!!」
母親らしき人物が駆け寄った。
母親「も、申し訳ございません!!」
泣きながら土下座をする母親。