皆に溺愛されている件について 【ONEPIECE 短編集】
第5章 海軍と囚人 【ドンキホーテ・ドフラミンゴ】
「…元気そうで何よりです。そろそろ行きます。」
ドフラミンゴ「おいおい、それはねぇだろ。ここに人が来ることなんざ滅多にねぇんだ。少しくらい話し相手になってくれてもいいだろう?お嬢ちゃん。」
「…お嬢ちゃんじゃないです…ナツキです。」
ドフラミンゴ「フフフフフッ…じゃあナツキちゃん、俺と楽しい話をしようぜ?」
「……あなたは、元天竜人なんでしょ?」
ドフラミンゴ「…あ?」
この質問をしたら、彼の機嫌が悪くなることはわかっていた。おつるさんからも聞いていたし、ファミリーではなく「家族」のことを話すとキレる…と。
ドフラミンゴ「おい、誰から聞いた?それはもう昔の話だ。」
「…私は、海兵なのに…天竜人が大っ嫌い。」
ドフラミンゴ「…」
「…私の家族は、天竜人に殺された。」
ドフラミンゴ「…それを俺に言ってどうしたいんだ?ナツキちゃん。」
「…どうしたいとか…わからないです…でも……どれだけ強くなっても…あのクズ達には敵わない。それが悔しいです。…もう1人になるのは嫌です。」
こんなこと、彼に伝えて……何かが変わるわけでもない。それなのに、口から言葉がボロボロ出てくる。