皆に溺愛されている件について 【ONEPIECE 短編集】
第4章 視界 【トラファルガー・ロー】
先天盲の治療法は見つかっていないらしい。自然回復を待つのみ。
でもキャプテンは言ってくれた。
*
ロー「俺は医者だ。いつか必ず、お前の目を見えるように、治療法を探し出す。だから、待っていろ。」
*
「…」
目では見えない。長く付き合っているクルー達の顔すら知らない。もちろん、キャプテンの顔も…。
「…あの…キャプテン。」
ロー「なんだ?」
「…私、船…おります…。」
ロー「…あ?」
「…目が見えなくて…いつ敵襲がきてもおかしくないのに…守ってもらってばっかりで…迷惑かけて……私はこの海賊船に乗っているただのお荷物です……何かできるわけでもない…人に支えてもらわないと生きていけない……いつか…嫌になって捨てられるのが怖いです……この楽しい日常が…急に消えるのは嫌です…だから…船…おります。」
ロー「…お前の言い分はよくわかった。でも、船を降りることは許さねぇ。」
「!…なんで…ですか?」