皆に溺愛されている件について 【ONEPIECE 短編集】
第24章 猫さんの我儘 【ロブ・ルッチ】
近くでハットリも心配そうに見つめていた。
「…嘘つき。」
ルッチ「……すみませんでした。」
彼が起きているのは気づいていた。この部屋に入ってきてすぐ、うっすらと目を開けていたから。
ルッチ「…任務をきちんと…達成出来ず…すみませんでした…。」
「もういいよ。」
ルッチ「っ…。」
苦しそうに声を押し殺し、ゆっくりと起き上がった。上半身に巻かれた包帯と頭に巻かれた包帯が痛々しい。
ルッチ「…どうしたら……あなたのそばに…置いてくれますか?」
「…さぁね。」
正直、私も彼の力を信用しすぎていたのかもしれない。ただの海賊に負けるわけがない…と。
「…でも私は、戦闘も出来ないし、指示することしか出来ないから。もう何も言わないよ、お疲れ様。1週間は安静にしてて。」
そう言い、振り向いて部屋を出ようとドアに向かって足を進めた。一歩進んだところで腕を掴まれた。
「…何?」
ルッチ「…俺をそばに置いてください。」
「……はぁ…なんでそんなに私のそばにいたいのかがわからない。誰かの下につきたいならもっと他の人がいるよ。」