第7章 7
『一緒に帰ってくれてありがとう。1人だったら心細かった』
「いや、私もこっちだし良い男と歩けてラッキーだったわ」
『ははっ、それは良かった。』
「ほんじゃ、また3日後に様子見に来るわ」
『うん、今日は本当にありがとう。気を付けてね』
そう言うと硝子は手を挙げて颯爽と帰って行った。
何から何までカッコイイ!
家に上がって部屋に直行する。
部屋の窓を網戸にしてレースのカーテンだけ閉めてすぐにズボンを脱いだ。
膝は結構な勢いで擦りむけてた。ズボンもシャツもボロボロで拓海になんて言って返そう...色々と不安になってきたのと同じくらいにアドレナリンが切れたのか急に身体中のあっちこっちが痛くなってきた。
ベッドの上に横になると『うっ』とくぐもった苦しい声が出た。
携帯からMailの届いた着信が聞こえた。
小さなディスプレイで名前を見ると『拓海』の名前だ。
タイミングが良いのか悪いのか...確認すると「大丈夫だったか?」と簡単だが心配してくれた内容に『ごめんね、制服破けちゃった。弁償します。』
とだけ書いて返信した。
フーッと息を吐いて目を閉じたら緊張の糸も途切れたんだろう...瞼が段々と重くなり、そのまま目を閉じてしまった。
耳元で電話の着信が聞こえたけど出れずに携帯だけを握って意識を飛ばした。