第7章 7
顔は痛いし、おしりも痛い。
借りた制服はシャツを引っ張ったせいでボタンが引きちぎれてしまった。
流石にショックだし頭にきた。
そして、彼女が危ない!!とゆう気持ちで、急いで立ち上がり中腰の姿勢のまま男の子腹部へタックルした。
『ふっざけんな!』
タックルした際に腕を男の両膝を掴みこんだので男はそのまま後ろへと倒れ込み私が馬乗りする形になった。
普段はコンプレックスの塊のこの身体も役には立つ。
馬乗りになったまま男の子顔面に拳を数発打ち込んだ。
『人の女に手ぇ出して、怖がらせて!!ざけんじゃねぇよ!!』
私もアドレナリンが出まくっていたのだろう。
普段では考えられない口調に自分でビックリしつつも殴る手を止められなかった。
「ねぇ、そろそろ落ち着いて」
突然の知らない声が聞こえた事にビックリして聞こえた方に顔を向けると目の前に前に一度、五条さん達とお店の前で見た事があるタバコの女の人がこちらをダルそうに見ていた。
『えっ』
そちらに気を取られていると男が体に力を入れて、馬乗りになってる私を下ろそうとしてきた。
「危ない!」と思っても、男の力には体を揺すられて横に倒れそうになると、
「あれ?前に悟達と会ったよね?...女だと思ったけど男だったの?」
周りを見ても特に気にしてません。って感じでマイペースに話を続けながら下で暴れてる男の頭をグッと抑えると男はそのまま動かなくなり白目を剥いてしまった。
驚いて彼女を見ると「気を失ってるだけ」と無表情で言ってきた。
助けてくれたのだろうか?
『ありがとうございます...』
「別に...あの子は大丈夫なの?」
同級生の子を思い出して、ハッとして後ろを振り向くと涙を流して立ち上がれなくなっていた。
立ち上がって彼女に近付くと私の顔を見て、更に顔を真っ青にしてバツが悪そうに顔を下に向けてしまった。
『大丈夫?』
「あ、あの、私...」
『かっこ悪いところ見せちゃったね、恥ずかしいから誰にも言わないでね。』
笑ってそう言えば、少しだけ安心したのか頷いて私の手を取って立ち上がった。
男はそのままにして警察に通報だけして彼女を家まで送った。