第7章 7
「テメェ!!人の女に手ぇ出しやがって、ふざけんなっ!!」
「きゃぁあ!!ちょっと、何すんのよ!止めてよ!!」
何が起きたか...と言うと、放課後になって彼女と下駄箱で待ち合わせて友達に正門周りを見回ってもらった。
結局、例のストーカー他校生は居らず「良かったねー」となり、今日はこのまま解散しようとなった。
拓海も何かあれば連絡してと言って部活へ戻って行き、佳奈子も帰ろ〜となったので帰ろうとしたが彼女が不安そうにしてたので途中まで送るよと声を掛けた。
彼女は嬉しそうにしつつも少しだけ申し訳なさそうに「ごめんね」と言ってきた。
私はストーカーや男の人に執拗に迫られた経験がないから彼女の恐怖心は計り知れないけど、とても不安なんだろう...少しでも力になってあげたいなと思った。
彼女と話しつつも周りを警戒しながら帰ってたら、途中で差し掛かった公園に他校生の制服を着た男性が椅子に座っているのが見えた。
途端に彼女が私の後ろに隠れたので『この人か』と状況をすぐに判断できた。
「ねぇ...それ誰?まさか...彼氏?」
「...」
「人の気持ち弄んで...ふざけんなよ!なんか言えよ!!おい!!」
『ちょっと!待てよ!!』
危うく彼女に掴みかかりそうになったので、間に入って彼女を後ろに回した。
「はぁ!?テメェ、人の女に手ぇ出してざけんじゃねぇぞ!!」
「やめてよ!!勝手にまとわりついてきて!!」
『嫌がってるじゃないか!!離れろ!!』
2人に責め立てられて余計に頭に血が登ったのか男に胸倉を掴まれて凄い勢いで引き寄せられた。
足元に力を入れてたから少しだけ鈍く動いたのが幸いだった、男は引き寄せるとそのままの勢いで私の左頬めがけて拳を振りかぶってきたが真ん中にヒットせず掠った。
掠ったと言えど男の拳が顔に当たったのだ、痛いし勢いで体制が崩れて尻もちをついた。
男は高揚してるのか顔を真っ赤に染めて目をギラギラさせていた。
彼女はこんな事になるとは思わなかったのか目に涙を溜めて顔面蒼白。
そして没頭に戻る