第7章 7
「ほい、制服」
拓海が渡してきたのは彼の制服。
彼はもちろんジャージを着ている。
「助かるわー」
『ありがとう。拓海』
「別にいいけど、なんに使うんだよ」
『私が着るの』
「はぁ!?なんで、お前が着んの!?」
「ストーカー撃退の為だと」
『佳奈子!!』
知恵を貸してくれる割にはやっぱり納得してない佳奈子が計画をポツリと拓海にバラしてしまった。
「ストーカー?」
『あー、うん。ちょっと困ってる子が居るみたいだから彼氏のフリして助けてあげようかなって』
「おまえ、なに考えてんだよ!危いだろ!!止めとけよそんなこと!」
「私も賛成!!絶対に止めた方がいい!!」
『いや、でも、いまさら止められないよ。止めたら彼女が困るじゃん』
「自分で蒔いた種でしょ!!」
佳奈子の言う事は最もだ。分かってる。
けど今更になって止めるね。なんて言えない。
そんな中途半端な事をしたら彼女は絶対に困ってしまう。
『ごめん。危ない事は無いようにするから...』
「カノン...」
「...そのストーカー撃退は何時から?」
『放課後だよ』
そう言うと拓海は少し考えて「なんとかなるか」と言った。
「俺もそれ手伝うわ」
『え!』
「それめっちゃイイ!ナイスアイデア!!安心!!」
『でも、拓海部活あるじゃん!どーするの?』
「大丈夫!!教室に財布忘れたとか言って、抜けてくる」
「拓海が居るなら安心だわ!絶対にそうしてもらおう!」
佳奈子はもぅ拓海が来るのに万々歳だし、拓海もここまで言ったら引かないだろうな...巻き込みたくないけど
『分かった。お願いします。』
「決まり〜!!」
「任せろ」
こうして放課後のストーカー撃退大作戦が始まった。