第7章 7
「彼氏のフリして欲しいの!」
お昼休みの時に突然、同級生にお願いされた。
突然のお願いに一緒に聞いていた佳奈子も私もビックリした。
『えっと、なんで?何かあったの?』
「頼む相手、間違えてなーい?」
言われた私より言われてない横の佳奈子の方が怪訝な顔をして聞いていた。
「実は他校生なんだけど、友達のお願いで連絡とってた男子がいて、その子に告られたんだけど私べつに好きな人居るから断ったんだけど全然、諦めてくれなくて...最近、放課後とかに待ち伏せされてマジで怖いの。彼氏が居るって分かれば諦めてくれると思うからお願いだから1回だけ彼氏のフリして!!」
そう言って彼女は顔の前で手を合わせてお願いしてきた。
「てか、それなら気になる男の子に助けてもらった方が良くない?」
「無理だよ!彼には迷惑掛けたくないもん!」
「カノンには迷惑掛けて良いんかーい」って佳奈子の優しい正論も彼女は必死で届いてないのだろう。私の返事待ちだ。
同級生の困り事、ましてやストーカーとなれば放っておけない。
『いいよ、私で良ければ』
「え!?」
「マジ!!ありがとーっ!めっちゃ助かる!今日、お願いね!」
『分かった。また計画教えて』
そう言って、彼女は友達の元へ帰っていき成功した報告をしたのだろうみんなで「良かったじゃん!」と喜びあっていた。
「ねぇ!マジで言ってんの!?」
『うん。ちょっと考えたけどホントに困ってたし...まぁ私で良ければだけどね』
「悟くん、絶対に怒るよ!」
『五条さんは関係ないでしょ』
佳奈子はインフルの件以来、私と五条さんはデキてると思っている。
散々、否定したのに全く聞いてない。
「てか、今日の放課後でしょ?格好どーすんの」
そう言って佳奈子が指してきたのは私の格好。スカートだ。
『んー、何も考えてなかったわ』
「だと思った。仕方ない」
『え?なんかあるの?』
「あるよ」
佳奈子が悪い顔でこちらを見た。