第5章 5【name#4設定推進】
「アイス買いに行って、帰ってきたらカノンちゃん居ないから探したわ〜アイスさ雪見だいふくで良かった?」
『...』
そのまま話し続ける五条さんを無視してもう一度、湯船に浸かった。
「あれ?雪見だいふく好きじゃない?ガリガリもあるよ?は!もしかして...この黄金シリーズが良かった?」
『閉めろよ!!』
なんでまだ話し掛けてんだよ!!
全然、扉を閉める気配がなくて叫んでしまった。
「ん?」
『ん?じゃねぇよ!閉めて!早く!出て行って!!』
湯船の中で体を丸めて背を向けた。
さっき迄の五条さんゴメンね。の気持ちなんて一切忘れて、また彼を家から追い出そうとした。
「ん〜、駄目。」
『は?なに?本当に怒りますよ。』
「怒ってもいいよ、カノンちゃん怖くねぇし」
『本当にふざけないで!出て行ってって...』
後ろを振り向いてみたら、いつの間にかシャツを脱いだ上半身裸の五条さんが私の浴槽を挟んで私の後ろに居た。もぅ彼からは私が丸見えだ。
「一緒に入る?」
『〜っ!!キッ!!』
「あー!ストップ!ストップ!叫ばないで!!」
私が大声を出しそうなのが分かったのか五条さんは慌てて手で私の口を塞ぎもう片手で私の腕を掴んで壁へ押し付けた。
男の人に裸を見られた事なんてないし、こんな明るいお風呂場、好きでもない人にこんな状態を晒されるなんて...恥ずかし過ぎて顔に血液が集中していくのが分かり、涙で目の前が潤んできた。
「ごめんね」
口と腕から拘束が無くなったと思ったら今度は抱き締められていた。
抱き締められた瞬間に瞳に溜まっていた涙がポロポロと落ちてしまった。
瞳のダムが決壊して涙が留めなくポロポロと溢れてきた。
「ちょっと意地悪しすぎちゃった。ごめんね」
『...嫌い。こんな事するなんてありえない。』
「キライ?」
『嫌いです。もぅ許さない...』
「無理。」
『...』
「カノンちゃんが俺のことキライでも俺はカノンちゃんが良い』