第5章 5【name#4設定推進】
耳元から規則正しい機械音が聞こえた。
父を送り出したあとそのまま寝てしまったらしく頭は汗と寝癖でグチャグチャ。
少し汗をかいた事によりスッキリした頭で携帯を確認すると時間は12:00を表示していた。
そして大きく電話を表示するアイコンと番号の下に『五条さん』と表示されていた。
『はい』
「あれ〜?学校サボり〜?」
『はははっ』
「笑うなよ。インフルだろ」
『なんで知ってるんですか?』
「おじさんから聞いた。荷物持ってくように頼まれたから玄関あけてくれる?」
『今ですか?』
「いま、もう着くし。」
いや、無理だろ。
パジャマだし、頭ボサボサだし、お風呂も2日入ってない。
絶対に無理。
『ちょっと移したら悪いので玄関に置いておいてください。』
「え?大丈夫だよ。移んねぇし」
『いや、移ります。』
「移んねぇって」
空気読んでー!!
五条さん空気読んでー!!
どうしよう。どうやって追い返すか。。。
考えていると電話口から「早く開けてー」と聞こえる。
これはもう家の前に居るな。
誤魔化してややこしくして寒い外に五条さんを置いとくのは良くないな。
『すみません。いま起きたばかりでお風呂も入れてないし、頭もボサボサでとても人に会える状況じゃないので持ってきてくれて大変、申し訳ないんですが玄関に置いておいてもらえませんか?』
正直に話すと五条さんは電話口で無言になった。
え?...分かってくれた?と少しドキドキした。
「そっかぁー、それじゃあ玄関前に置いとくから落ち着いたら取ってね。今度お礼してね。」
『え?あ、はい。』
分かってくれたらしくお礼を催促されたのは気になったが五条さんはそれだけ言うと「お大事にー」と言うって電話を切った。
下に降りて、洗面台で髪を櫛で整えてパジャマの上からカーディガンを羽織って玄関へ行く。
玄関のドアを少し開けると荷物がちょこんと置いてあったので、それを取るために玄関を開けたらドアがいきなりガッツと動かなくなった。
「やっほ〜」