第5章 5【name#4設定推進】
「インフルエンザですね。」
『はい』
「あー、発症から48時間経ってるので、効かないと思いますけどお薬出しておきますね。」
『はい』
「解熱鎮痛剤も出しときますね。」
『はい』
「はい、お大事に」
『ありがとうございます。』
肌寒く感じてたのはこのせいだった。
家に帰ってきて、布団に入るが身体の先は冷えて感覚があまり分からないのに頭や腹の中心は熱くなんとも寝苦しい。
オマケに頭痛も酷くてとても目を開けて上体を起こせる状況ではない。
「今日はお昼過ぎには帰ってくるよ。」
父が布団から少し離れたところで声を掛けてくれた。
『病院は?』
「母に移したら大変だし行かないよ。荷物だけ届ける。店も夜は姉さん達で回してくれるって」
『叔母さん達?』
うちの店は父と私と父のお姉さん(叔母)、息子さんでお店を回してる。
流石に私のせいで皆に迷惑を掛けられない。
『いいよ。私、大丈夫だから夜まで平気だよ。』
「どこが?」
『子供じゃないんだから、なんかあったら連絡する』
「...無理になる前にすぐ連絡しなさい。」
『分かった。いってらっしゃい』
「行ってきます。」
父が階段を降りていき、玄関を出ていくのが小さく聞こえた。
父が居なくなると人の気配が無くなった家はとても静かで、眠る前に母に「インフルエンザになっちゃった。行けなくなってごめんね」と一言と佳奈子に「インフル。今週休むね」と送ると速攻で返事が来て「マジで?今日、お見舞い行くね。」とだけ来たのを確認して、携帯を握りしめたまま寝落ちしてしまった。
きっと、年末年始の疲れとインフルエンザが一気にきてしまったんだろう。
早く治りますように。