第5章 5【name#4設定推進】
「友達だって」
「友達だって、悟。」
「うるせぇ」
「硝子、悟になんか言ったのか?」
「言ってない。」
「もぅいいよ、飯食って帰ろう。」
「私は蕎麦」
「私は肉」
「纏まりねぇな〜俺は寿司!」
結局、じゃんけんで硝子の一人勝ちで肉になった。
「本当に彼氏だったらどうすんの?」って言った硝子の言葉。
どうもしない。
どうする気もない。
だって彼女の事は暇潰しだから。
生まれた時から呪術の世界で生きてきた。
だから、たまたま見つけた彼女が非術師で非術師がどんな生活をしてどんな事を考えてるのか気になっただけ。
良いじゃないか。
仲のいい友達にいつか恋心が芽生えて付き合って楽しい青春を謳歌して。
俺たちみたいにいつも怪我して、いつ死ぬか分からないからギリギリ死線を跨がない所に居て、同業者じゃない彼女に嘘をついて、いつ何時でも任務があれば行って呪詛師なら人間だろうと殺さなきゃいけない...そんな人間より、全然いいじゃないか。
だから、彼女だからどうにかするとかはない。
「...なぁ」
「ん?」
「なに?」
「メシ食ったらカラオケ行かね?」
「またカラオケ?私あまり好きじゃないんだよね」
「なんで?俺、傑の歌好きだよ。お経みたいで(笑)」
「馬鹿にしてるだろ(笑)」
「私パース。今日は雀荘で狩りに行く」
「硝子...もう少し可愛い趣味持てよ。今どきの女子高生は雀荘なんて発しないぞ。」
「高校生が雀荘出入りしちゃダメだよ。」
「2人も麻雀覚えてよ。そしたら私が狩ってあげるから」
「めんどくせぇー」
「はははっ、気が向いたらね」
2人と笑いながら帰った道。
少し日は伸びたけど、まだ寒く。
北風が首を冷たく撫でた。
彼女から貰ったストールはあれ以来、着けていない。