第5章 5【name#4設定推進】
「カノンちゃん」
『五条さん、お久しぶりです』
「久しぶり〜。元気にしてた?」
『はい。』
夏油さんの後ろから五条さんが近付いてきて話しかけてきた。
一緒に居た女性は...1人になった途端にタバコを吸い出してた。
あの人、高校生だよね?
私が凝視してたのに気が付いたのか、その女性はコチラを見ると咥えタバコのまま挨拶をしてきたので、一礼で返しておいた。
「彼は友達?」
五条さんが拓海を見て聞いてきた。
拓海は突然、集まった人達にビックリしていた。
しかも夏油さんも五条さんも背が大きいから、それなりに背がある拓海でも埋もれてしまった。
『あ、はい。同じクラスの友達で、帰り道が一緒なのでたまに帰ってるんです。』
「そうなんだ」
『拓海、この人は五条さん。隣の人は夏油さん。五条さんはお店のお客さんで夏油さんは五条さんの友達。』
「あ、どうも」
「よろしく〜」
にこやかに挨拶する2人。
特に会話もなくそこからずっと無言。えーーっと...
「カノン俺もう帰るわ」
『あ、うん。また明日ね』
「おう。手伝い頑張れよ〜」
そう言うと拓海は五条さん達に頭を少し下げて、サッサと帰って行った。このタイミングを逃さまいと私も五条さんへ声を掛けた。
『私もお店行きますね。』
「うん、またね。カノンちゃん」
てっきり、お店に寄るのかと思ったら五条さんは挨拶をしてタバコを吸ってる彼女の元へ夏油さんと帰ってしまった。
帰り際に夏油さんとタバコの彼女は手を振ってくれたが五条さんはコチラを見向きもせずに行ってしまった。
さっきまで賑やかだった自分の周りが一気に人が居なくなったせいか少し肌寒く感じ、急いでお店へと入った。
また、ちゃんとお礼を言えなかった。