第4章 4
1つ目の紙袋には手袋。
最初のお店で私にサイズが合わず断念した淡いクリーム色の手袋。はめてみたら五条さんがくれたのはサイズがピッタリだった。
2つ目の紙袋にはクマのぬいぐるみ。
お店の前を歩いてた時にディスプレイされてた子。赤いリボンが可愛いと思ってついつい見てしまった。
3つ目の紙袋にはスカート。
一緒に入ったお店で綺麗なプリーツが折られてるなって、色も黒できっと履きやすいだろうなって思って見たスカートだ。
でも、スカートなんて制服でしか履いたことなくて少しだけ見て離れたスカート。
4つ目の紙袋には靴。
あの時、試着させてもらった青のパンプス。
どれも私がこっそり見て、素敵だと思っていた物ばかりだ。
そんなに表情に出ていたのだろうか。
物欲しそうに見えてしまったのではないかと少し恥ずかしくなった。
だけど、私に見つからないように五条さんはこれをいつ買ったのだろうか、ずっと持ってた時にバレないようにするのに徹してたのかな。とかロマンチックに渡したかったって言ってた彼の事を思い出して、少しだけ吹き出してしまった。
「またね」って言ってくれた事を思い出して、五条さんに次に会う時はキチンとお礼を伝えよう。
「またね」が少しだけ待ち遠しいと思った。