第4章 4
『私も家に入ります。』
気まずくなり、そう言うって玄関の方を向くと五条さんが私の腕を掴んでた。
まだ何かあるのか?
さっきまで抱き締めてきたりキスをしようとしてきたりする人だから警戒しないと思い、五条さんが掴んだ手に少し力入れた。
「これ」
『え?』
「これ、あげる」
そう言って五条さんが渡してきたのは今日、五条さんの買い物した数個の紙袋。
わけも分からずその袋を見てると、五条さんに紙袋を握らされた。
「本当はロマンチックにあげたかったけど仕方ないね」
『え、えっと』
「気に入らなかったら捨てるなり売るなりしてイイから」
『なんですか、これ...』
「んー、これはねカノンちゃんに誕生日&クリスマスプレゼント」
『いや、誕生日も全然違うし!クリスマスも終わってるし!』
「俺だって誕生日過ぎてるけどカノンちゃんプレゼントくれたじゃん。一緒だよ」
『にしても、か、数が...』
プレゼントは数や値段じゃないよって誰かが言ってたけど、流石に私はストール1枚に対してこの紙袋の量は多すぎる...。
「それじゃあ、俺こんどこそ帰るね」
『え!』
私が困って袋を見ていたら五条さんはサッサと家の門を出てしまった。
「カノンちゃん、またね」
ニコッと笑って五条さんは歩いて行ってしまった。
一人残された私は仕方なく紙袋を持って家に入った。
先程のキス未遂があって父に会うのが少し気まずいので、リビングに寄らず2階の自分の部屋へ上がった。
五条さんから貰った紙袋を丁寧に床へ置く。
本当に貰っていいのか...少し悩み、躊躇しながらもとりあえず一つ一つを開けてみた。