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コーヒータイム【五条悟】※修正有

第4章 4


なんでこんなことになった。
店員さんに連れられて座ったソファの上でめちゃくちゃ困っている。
私からサイズを聞いた店員さんが少しお待ちくださいと言って、奥へと行ってしまった。
近くにあった靴を見ると汚れひとつなくピカピカにディスプレイされていて値段をコソッと確認したらやっぱり0が多い。
普通のお店じゃない。

ここで靴を履いて買いませんなんて非常識なんじゃないのか?でも、とても手持ちで買える値段ではない。なんで五条さん連れて来たんだろう。あの人の事だから嫌がらせだろうか...色んなことが悶々としてしまいどうにかして逃げる方法を考えてると店員さんが何箱か持ってきて戻ってきた。

「お待たせ致しました。いくつか似合いそうな物をお持ちしたので、ぜひご試着してみて下さい。」
『あ、はぃ』
断るタイミングが分からない。

「普段はヒールのお靴など履かれますか?」
『あ、いや、踵の高い靴は履いたことなくてスニーカーしか...すみません』
「そうでしたか!スニーカー履きやすいですよね。私も仕事以外は基本スニーカーばっかりです。」
『そうなんですね...私は足が大きくてサイズも無いし、あまり似合わないので...』
「え!お客様!!そんな事ないです!サイズは合うものを見つけなくてはダメですけど似合わない事なんてありません!こちらを履いてください!!」
『う、はい』

遠慮気味にしてたら店員さんの方が興奮してきて箱から真っ青なパンプスを出してくれた。

「初めてなら無難に黒か赤かと思ったのですがお客様にはこちらの色がお似合いかと思いました。」

綺麗な青だなと思いながら足を入れてみると奇跡的にピッタリのサイズ。
ヒールもそこまで高くないのか爪先は痛くないし、踵もスティッチが当たって痛いとかなくホントにピッタリだった。

『あ、ピッタリだ』
「サイズ調度良くて良かったです。お色も今日のお洋服の差し色になりますね」

目の前の鏡で自分の姿を見る。
初めて見る自分のヒール姿に違和感しかない。
違和感しか無いのにずっと憧れていた靴を履けた事の高揚感。
どんな表情をすれば良いのか分からなくて鏡から顔を背けてしまった。
でも靴はとても可愛くてずっと憧れてた

『お姫様みたいだね』
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