第4章 4
14時10分。
自分にしては時間通りに待ち合わせ場所にこれだと思う。
あの電話の後に傑の所へ行けば全て聞いてましたって感じで「ジジィを労るよな?」なんて言ってきて、自分の任務を数個俺に投げてきた。くそっ。
それを朝方まで祓いまくって、時間通りに来れた自分を褒めてあげたい。
「...」
『な、なんです?』
「ん?パンツスタイル初めて見た」
『いつも制服ですからね』
「うん。いつもの制服も良いけど、カノンちゃんは足が長くて綺麗だからパンツスタイルも綺麗だね」
そう言うとカノンちゃんは頬を少し染めて下を向いた。
照れてるカノンちゃんが面白くてじっと見ていたら気まずくなったのか数歩、俺の前に出て背を向けたまま『どこに行くんですか』って聞いてきた。
「そうだねー。特に決めてないんだけど、とりあえず服とか見たいし買い物行こ」
『わかりました。』
「はい」
『ん?』
「デェト♡でしょ」
『繋ぎません!さっさと行きますよ!!』
「えー、手ぇ繋いでくれないと歩かない」
手を繋ぐ為にカノンちゃんの前に手を出すと、カノンちゃんは目を見開いて俺の手を見てたが、意を決したのか一度大きく深呼吸をすると俺の手ではなく手首を握ってきた。
「え?」
『これで良いですよね。行きましょう。』
「なんか違う〜」
『右ですか左ですか?』
「右です〜」
俺の手首をグイグイ引っ張りながら行く目的地も分からず言われた通りに歩いて行くカノンちゃんに諦めて、連行スタイルでお店まで行く事にした。
お店に着いて中に入って行こうとするとカノンちゃんは掴んでた俺の手を慌てて離した。人に見られたくないんだろう。
中に入ると馴染みのスタッフが「五条さんお久しぶりです」なんて話し掛けて来たので少し談笑するとその光景をポツンと見てるカノンちゃんにレディースも扱ってるし「店内見て来ていいよ」と声を掛けると、俺と店員に軽く会釈をして無言で離れて行った。