第3章 3
『...』
約束の時間通りに夏油さんから渡された電話番号に連絡を掛ければすぐに夏油さんは電話に出てくれたが、先程から「うん」と返事しかしてくない。
怒らしてしまったのではないかと少しだけサプライズに参加出来ないと言ったとを公開した。
「カノンちゃん」
夏油さんって私を名前呼びするっけ?と思ったが、この声...夏油さん?
『五条さん?』
「うん」
『失礼しました。』ブッ
夏油さんが渡してきた番号がまさか五条さんの番号だったのか!
ワザとなのか間違えたのか、いや間違えるわけないだろ!
予想外の事に気が動転してしまい慌てて電話を切ってしまった。
心臓が耳に移動したのではないかって位に耳の奥からドッドッと速い心音が響いてて、電話は切ってるけど聞こえてしまうのではと思い布団に携帯をギュッと押し付けた。
するとすぐ、私が掛けた番号から着信がきた。
もう逃げられないと思い、一呼吸して落ち着かせて電話に出た。
『はい』
「カノンちゃん」
『すみません。夏油さんから電話してと言われて渡された番号に掛けたんですが、渡す番号間違えたんですかね?申し訳ないですが夏油さんの連絡先教えて下さい。』
「教えない」
『なんでですか?』
「傑、ジジィだからもう寝ちゃってるもん」
絶対に嘘だと思ったがそれ以上、追求するのをやめた。
何も言えずに黙っていると五条さんから話をふってきた
「ねぇ、俺になんか言うことないの?」
『言うこと?』
「言うこと」
『...佳奈子を送ってくれてありがとうございます?』
「ちげぇ」
『...夏油さんによろしくお伝えください?』
「ちげぇし、知らねぇわ」
『いや分からなくて』
「さっき自分で言ってたじゃん」
さっき言ってた?...もしかして
『五条さん』
「ん?」
『お誕生日おめでとうございます。』
「うん、ありがとう」
そう言うと彼は電話口で分かるくらい優しい声でお礼を言ってくれた。