第2章 2
「てなことで、無自覚なコーヒーちゃんの為にこれは罰です。恋人繋ぎの刑でーす♡」
そう言って、掴んでた手をカップルの様に手繋ぎに変えた。
彼女の顔を真っ赤にして怒るのを期待して待っていると、俺の期待とは裏腹に彼女は俺の顔を見たまま呆けてた。
『私は...背も大きいし、手だって女の子みたいに小さくない、足だって大きいし、力だってあるし...大丈夫だからあなたに心配される必要ないんです。私は』
下を向いたまま自分の事を話す彼女はそう自分に言い聞かせてるのか少しだけ繋いだ手に力をギュッと込めてきた。
「コーヒーちゃんは俺より全然小さいよ。手だって俺の手に収まるし、足だって俺の方が全然デカい。力だって俺より無い。だから俺は我慢強いコーヒーちゃんの分までコーヒーちゃんを心配するよ」
そう言うと彼女はまた黙ってしまって、俺もどうすれば良いか分からず。
とりあえず彼女をお店まで送ることにした。
『...すみません』
少し経ってから小さい声で聞こえた謝罪。
『心配してくださったのに無下にするような言い方をして、すみませんでした。』
「...ヤダ」
『え?』
「ヤダ。許さない。」
『えっと...本当にごめんなさい。』
「ダメ。無理。」
『...』
俺の返答に焦ってるのか、彼女はあからさまに眉毛を八の字にして困っていた。
「俺のお願い聞いてくれたら許してあげる。」
『お、お願いですか?』
「エッチなお願いじゃないよ。エッチなお願いでも良いけど」
『な!なに言ってんですか!』
意地悪に笑いながら彼女に言うと、さっき迄はふりほどけなかった手を凄い勢いで投げ離されてしまった(笑)
めっちゃ力あるじゃん(笑)