第2章 2
『なんで!?』
「?なにが?」
『なんで、また居るの!?』
「なんでってコーヒーちゃん待ってたからじゃん」
私がビックリして聞くと彼は当たり前のように答えた。
『待ってた?どこで?』
「別にどこだってイイじゃん。」
『もしかして、ずっと外で待ってたの?』
「違いますー。次の荷物はこれ?」
白い肌が赤く染った鼻先をより一層、目立たせる。
私の荷物をまた持つ時に触れた指先が氷のように冷たかった。
彼は違うと言ってたけど、私が置いてったあの時から外で待ってたんだ。
『なんで?用事あるって言ってたじゃないですか...』
「用事はあるよ」
荷物を持って先を歩く彼の背中を申し訳ない気持ちで見て、彼の返答に『待たせてしまった』申し訳ない気持ちと『じゃあ、なんで待ってたの!?』ってゆう怒りの気持ちが入り交じっていると
「俺の用事はコーヒーちゃんをお家まで無事に送り届けること」
彼は私の複雑な気持ちを理解してるのか、私の顔を見ると満面の笑みでそう答えた。
『な、そんなの聞いてません。』
「いま言った。」
『1人で帰れます。子供じゃないんで』
「女の子だよ」
また『女の子』扱い。
さっきは嬉しかったけど、頼んでもないのに自分の身体を冷えきってまで私を『弱者』の様に扱う彼に少しだけうんざりしてしまった。
『私はそんなに弱くないです。』
「あ?」
『あなたに心配されなくても1人で帰れます。』
「何言ってんの?」
突然、私の手を冷えきった手が掴み上げる。
ビックリして彼の目を見るとサングラスの隙間からあの碧眼がコチラを睨んでいた。怒ってる。
『は、離して...ください』
「振りほどいてみろよ。弱くないんだろ」
彼に言わた通りに手を解こうと力を篭めるが彼の腕はビクともしない。
この細腕のどこにそんな筋肉があるんだ?
『ちょっと、本当に離して!』
「ダメ。コーヒーちゃんは無自覚過ぎる。」
『なにが!?』
「コーヒーちゃんは女性なんだよ?女性をほっとく人なんて居ないし、それを1人で歩いて帰らせたら何があるか分かったもんじゃないでしょ。」
...彼は何を言ってるんだ?