第2章 2
私のは他の子に比べて身長も頭一つ飛び抜けてて、自分より小さな女の子達を無意識に守ってあげなきゃって思ってきたので、重いものを持ってあげたり彼女達の負担になる事を率先して変わってあげてきた自分がその対象になる事なんかなかったし、なる事もないと思ってた。
それをサラッと言った彼に驚きつつも、改めて自分がその対象に括られたことに少し照れ臭いのとむず痒い感情が入り交じって、それがバレたくなくて無言で歩き続けた。
「コーヒーちゃんの用事ってここ?」
気が付いたら病院の前にきていた。
『あ、荷物ありがとうございました。それでは失礼します。』
この感情を知らたくなくて、早く彼から離れようと荷物を半ば無理矢理、奪い取ると彼の方を振り返ることも無く病院の中へ 入っていった。
慣れた院内を歩き、目的地のナースステーションに着き、面会者名簿に名前を書いて目的の部屋へ歩いてく。
部屋に着くと、奥のベッドで上半身を起こして本を読んでる人
『お母さん』
そう呼ぶとコチラに気がついて、本を閉じてニコッと母が笑いかけてくれた。
「いらっしゃい、早かったわね。寒かったでしょ」
『うん、少しね。身体の調子はどう?』
「最近は安定して落ち着いてるわ」
話をしながら持ってきた荷物を母のベッドの横に備え付けてあるテーブルに置くと母は中を見て、着替えや本等を出し始めた。
「こんなに持ってきてくれたの?重かったでしょ!!」
『あーうん、少しだけ。持って帰るものある?あれば持って帰るね』
自分が持ってきた訳では無いので少し歯切れ悪く返事をしてしまい、誤魔化すように話題を変えた。
その後は椅子に座って、友達や学校の話を母にたくさんした。
友達がピアスを開けた。もうすぐ休み前のテストが始まる。喫茶店で冬限定のメニューが始まって少し手こずってる…私がたくさん話してるのを母はニコニコしながらうん、うん、と相槌をうって聞いてくれた。