第13章 11
「肝試し?」
『そうなんです』
夜も肌寒くなってきて、冷房をつけずに窓を開けるだけで冷たい風が部屋に入ってきて過ごしやすい気温になってきた。
「こんな夏の終わりにやるもん?」
『夏の終わりだからやるんじゃないんですか?』
「ふーん、どこ行くの?」
『なんか有名な心霊スポットらしいです...ここです。』
携帯で送られてきた心霊スポットの場所を五条さんに見せる。
興味なさげにそれを見る五条さん。
「ふーん、行くの?」
『いや、行きたくないけど、流石に女子が夜に外に出歩くのは心配なので』
繁華街から外れているからこそ街灯もない所に男女で行くんだけど人気が無い所だからこそ変質者が出たら大変だ。
男子が肝試しに行った時に待ってる女の子達を守るのは自分しか居ないと意気込んでいたら五条さんが手を握ってきた。
「その夜に出歩く女の子の中にはカノンちゃんも入ってるんだけど」
『私は、大丈夫なんです。』
「なんでー?」
『私は襲われるような対象じゃないんです』
「ふーん」
そう言うと五条さんは掴んでた手をいきなり私に向かって押し返してきて、突然の押す力に私は倒れてしまった。
『な、なに!?』
「いや、襲われるような対象じゃないって言ってたから。俺にとっては襲いたい対象だよって教えてあげようと思って」
『はぁ?』
「大きい声出さない。バレちゃうよ」
『え!っン、ふぅ』
大きな声を出すと窓から入ってきてる五条さんがバレてしまうから声を抑えたらイタズラな顔をした五条さんがキスをして口を塞いできた。
角度を変えて何度も何度もキスをしてくる。
気持ちを伝えてから五条さんは遠慮しなくなった気がする。
部屋に来れば「疲れたー」と言って、すぐに抱きついてくるし、私が離れると横にすぐにくっついて来る。
帰りのキスは絶対にするようになった。
回数を重ねるうちに少しは慣れるかと思ったけど全然、慣れない。
この雰囲気に柔らかい唇にキスの間に見える熱をもった五条さんの瞳が慣れない。