第10章 9※従兄弟/モブ女/出有り。
「あれ?五条さんだ」
『...』
バイト上がりに樹ちゃんと本屋に寄ってゴハンを食べてコンビニへ寄って帰ろうとしたら入ったコンビニで五条さんと会った。
五条さんの隣には知らない女性。
この人が歌姫さんかな?
『こんばんは』
「2人とも悟くんの知り合い?2人ともイケメンじゃーん」
「ちょっと、黙ってて」
五条さんが静かにするように諭すもテンション上がってるのか意気揚々と「友達呼ぶからみんなでご飯行こ〜」とメールを打ち始めた。
「お姉さんは五条さんの彼女?」
樹ちゃんが聞いた。
「違うよ〜、でもこれからなる予定♡」
「は?何言ってんの」
「えー?だって、私たち仲良しじゃん♡」
女性のこの発言に五条さんは少しだけイラっとしていたが私も樹ちゃんも彼女の発言を理解した。
『ねぇ、もう帰ろう』
「そうだね。じゃあね、五条さん」
「え?ちょっと待って、3対3で合コンは?」
樹ちゃんに小声で言うと樹ちゃんも気まずかったのかサッサと挨拶をしてくれて、彼女の発言には触れずコンビニを出た。
コンビニから出るとお互い少しだけ早歩きになって、コンビニから離れたところでやっと口を開き始めた。
「五条さん、あの顔だしやっぱモテるよね」
『そだね』
「...怒ってる?」
『怒ってない』
「じゃあ、何ってる?」
『別に...何ってない』
怒ってない。
五条さんが誰と居ようが何してようが私には関係ない。
女の人にダラしないのも五条さんらしい。
誰とでもそーゆう事できるんだ!って分かっても驚きもしない、如何にもだから。
五条さんにキスされて、照れたり慌てたりしてた自分が滑稽に思えて少しだけ悲しかった。
少し早歩きしたせいだろう、胸が苦しくて息をするのが辛かった。