第10章 9※従兄弟/モブ女/出有り。
「悟、何してるの?早く帰るよ」
「わかってる!」
「機嫌悪すぎ。私に当たらないでくれよ」
「うっせぇな...当たってないよ」
気持ち悪いや下手くそよりムカついた。
「何も無い」
地味にショック。マジでムカつく。
「あー!!もぅ、帰ったら歌姫と遊ぼーっと」
「遊ぼうって...おまえ、歌姫先輩イジってるだけだろ」
「違いますー。全然、違いますー。」
「もぅ会いに行かないの?」
「...」
傑の言葉に少しだけ考えた。
「今日は止めとく」
「そう...」
少しだけ傑の声色に呆れを感じたけど、気付かないふりをした。
カノンちゃんの顔を思い出す。
いつも以上に無表情だったな...
全部が全部、不満。
このモヤモヤが晴れる事はなかった。
寮へ戻ると傑はどっか行っちゃって、硝子と歌姫は久しぶりに女子会と言って出掛けてしまった。
寮に1人残されて暇なので、アテもなく街中をウロウロする。
「お兄さん」
座って携帯をイジっていたら、目の前に美人。
亜麻色のロングヘアに色白の華奢な身体なのに女性特有の所はしっかりと主張されていてついつい目がいってしまった。
綺麗な形の唇にピンク色のリップが栄えていて、その唇が動くと彼女に合った色気のある声が発せられた。
「こんばんは、何してるの?」
「んー、何もしてないよ。」
「暇なの?」
「暇だよ」
「私も暇なの、デートしない?」
「イイよ」
「ホントに?嬉しい♡お兄さん、名前は?」
「悟」
それだけ言って立ち上がると彼女はさっさと俺の腕に自分の腕を絡ませてきた。
久々だな〜最近こーゆうの御無沙汰だったな〜
最近はカノンちゃん家に行く事多かったし...
隣を歩く彼女が嬉々と高い声で話しかけてきたケド、ふと思い浮かんだカノンちゃんのせいで全く話が入ってこなかった。