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コーヒータイム【五条悟】※修正有

第9章 8※8巻内容有り


文化祭が終わり。
貸し出していた備品の数を票を見ながら合っているか確認をしている。
筆記用具やテープなど細かな物は数えるのが大変で、数えては数え直してを何度も繰り返していた。

劇も無事に成功し、この文化祭を経てクラスの絆はより一層強くなったのかテンションが上がったクラスの大半は花火が終わった後に打ち上げに焼肉へ行くと盛り上がっていた。
「カノンも行くでしょ?」といつの間にか名前で呼び合う様になった劇のグループの子達にも誘われたがみんなと行ける気配が無く『行けたらメールする、先に行ってて』と言って、今この状況だ。
まだ半分も終わってない。

ガラッとドアの開く音がして入口を見ると拓海が立っていた。

「お疲れ」
『お疲れ〜ソッチは片付け終わった?』
「終わった、終わった。やっとだよ〜」
『イイな、私も早く終わらす〜』
「なに、おまえ全然終わらないじゃん」
『数が合わないんだよ!!』
「ご愁傷さま」

笑う拓海に悔しくなって、スピードを上げて備品を数えてるとそれを見ていた拓海が「ねぇ」と声を掛けてきた。

「昨日の返事どっち?」
『返事?なにの?』
「...花火の」
『花火...あぁ』

忘れてた。完璧に忘れてた。
拓海の顔を見ると頬を赤く染めて真剣な顔で見ていた。
どう返事をすれば良いか分からず当たり障りなく返事をした。

『私はパス!これ終わらないし、皆と見てきて』
「みんなって...俺、おまえしか誘ってねぇし」
『あ、そうなの...へ、へぇー』
「それが終わったら一緒に見に行ってくれんのかよ」
『えっと...』

これだけ話をすればもう分かってしまった。
“文化祭の後の花火を一緒に見た男女は結ばれる ”ってジンクス。
このジンクスがどれだけ効果あるのかは知らないけど、花火マジック?なのか勝率は高いらしい。
拓海がそんなジンクス信じてたんだなとか全然そんな素振りなかったのに、佳奈子は気付いてたのかな?とか思う事はたくさんあった。
たくさんあって、言った。

『ごめん。行けない』
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