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コーヒータイム【五条悟】※修正有

第9章 8※8巻内容有り


天内理子の護衛を続けていくうちに様々なトラブルに見舞われた。
そして攫われていた彼女のメイドを助けて、賞金首になった彼女を連れて沖縄へ行く事になった。
しかし、その前になんとか時間を割いて カノンちゃんの部屋に来た。
久しぶりに来た部屋は変わってなく、頻繁に顔を出していた事もあってか居心地良く感じる。

本当はこんな汚れた身体で上がって良いはずではないのに...でも、 カノンちゃんの顔を見れて固まっていた神経がスルスルと緩く解けていくのが分かった。
ずっとこのままここに居れたら良いのにな...

『ゴメンなさい。遅くなりました。』
現実をカノンちゃんに突き付けられた。

「大丈夫だよ。そんなに待ってないから」

彼女の手には黒い袋が握られていた。

『これ、持って行って下さい』
「...なにこれ?」

彼女が差し出してきた黒い袋はお弁当袋だったらしく、中には可愛いピンクの水筒と茶色い包み紙が入っていた。

『ごはん食べましたか?』
「あ、いや、まだ...」
『じゃあ、これ食べてください』
「えぇ...」
『片手間に食べれるようにしたので』

母親みたいなカノンちゃんの行動についていけないでいる

『その水筒、気に入ってるんです。』
「これ?」
気に入ってるなら貸さなければ良くない?
彼女に返そうと水筒を握ると

『いつでもいいので返しに来て下さい』

その言葉に止まった。

『気に入ってるけど...五条さんに貸してあげます。』
「何時になるか分かんないよ?」
『いいです。明日でも明後日でも1年後でも...だから、必ず返しに来て下さい。』

彼女の手を掴んで自分の胸の中に彼女を閉じ込めれば、いつもは『止めて』と暴れる彼女が今日は大人しく腕の中に収まった。

「寂しい?」

そう聞くと彼女は

『寂しくないです』

と綺麗な笑顔で応えた。
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