第14章 ブバルディア
-京都校サイド ミーティング-
side 三輪霞
「宿儺の器、虎杖悠仁は殺せ。」
ミーティングの開口一番からそれですか!?
「アレは人ではない。故に全て不問。事故として処理する。桜眼の姫君が喰われる前にも始末したい。遠慮も躊躇もいらんぞ。」
“桜眼の姫君”って...
あのロリ巨乳さんのことでしょうか?
それにしても殺すとか殺さないとか...嫌だなぁ...。
「殺すも何も彼、死なないからここにいるんですよね?」
確かにですね!真依さん!
「先の虎杖の死は“自死”だと聞いておる。敵対術師に止めを刺す時気をつけねばならんことは?加茂。」
「はい。死後呪いに転ずることを防ぐために呪力で殺します。」
「そうだ。他者の呪力でしっかり止めを刺せば何の問題もない。現在肉体の主導権は虎杖悠仁にある。宿儺が出てこなければただの一回生だ。縊るのは容易い。」
学長の言葉を聞いて凄い勢いで襖を蹴り破る東堂さん。
皆んなの視線が一度に集まる。
ぁあ...ここは東京校ですよ...。
直すのにおいくら掛かるんでしょう...。
「下らん。勝手にやってろ。」
「戻れ東堂。学長の話の途中だ。」
部屋を出て行こうとする東堂さんを加茂さんが引き留めます。
「11時からの散歩番組に高田ちゃんがゲスト出演する。これ以上説明いるか?」
「録画すればいい。戻れ。」
「リアタイと録画、両方観んだよ。ナメてんのか?」
(ひ、ひぇ...。怖いぃ...。)
東堂さんの高田さんに対する愛は本物なのは認めますが...。
「いいかオマエら。爺さんもよく聞け。女の趣味の悪いオマエらには疾うの昔に失望している。謀略、策略勝手にやれよ。但し次俺に指図してみろ。」
肌にまで伝わってくるようなビリビリとした重圧感。
「殺すぞ。」
そう言い残して出て行ってしまう東堂さん。
「どうします?あの様子じゃ作戦行動なんて無理ですよね。学長もどっか行っちゃったし...私あの人に殺されたくないですよ。」
「いいんじゃないかな。どうせアイツ東京陣営まっしぐらだもん。勝手に暴れてくれるなら私達は呪霊狩りに専念すれば。」
畳に座りほうきを抱えた西宮さんが言う。
確かにそうかもしれません。