第14章 ブバルディア
「面白ぇ。」
ニヤリと笑って見せる真希先輩。
「東堂は確実に直で私達を潰しにくる。真依も私狙いで便乗してくるかもな。東堂は化物だ。全員で相手にして全滅するのが最悪のパターン。だから足止めとして“一人だけ”パンダが恵を置いていくつもりだったが...虎杖。オマエに任せる。索敵できる奴減らしたくねぇし。勝たなくていい。出来るだけ粘って時間を潰せ。」
「でも大胆にいけよ!ぶっちゃけオマエは予定外の戦力だからリタイヤしてもあんまり困らん。」
「ひっでぇ。」
「悪ィな恵。オマエ東堂とやりたかったろ。」
「いや別にどっちでも...。」
パワーバランスを考えても、どちらかと言えば俺より虎杖の方が適任だろう。
「スーパードライだな。」
「でも先輩。やるからには...勝つよ。俺。」
歪みのない真っ直ぐな視線から虎杖の強い意志を感じる。
この二ヶ月間で虎杖の中でも何か変化があったのだろう。
『悠仁はね、二ヶ月間特訓すごくすごく頑張ったもんね!すごいんだよねっ!』
むんっとガッツポーズをしてキラキラした目で虎杖を見上げる桃花。
「おう!頑張った!桃花奥さんみたいに一緒に頑張ってくれたもんな!!毎日、毎晩頑張ったよな!!」
奥さんみたいに?
毎日?毎晩?何を頑張ったって?
そこんとこ交流戦が終わったら詳しく話してもらわね-とな。
隠し事はなしって約束したからな。
交流戦が終われば桃花は部屋に戻って来る。
さっさと終わらせてやると変なところで気合いを入れて、交流戦へと気持ちを整えた。