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【鬼滅の刃】あかいえにしは ゆめをみる。

第1章 序章


察しがいいわね、その通りよ、と座りながら返事をすると如何やら漸く私が『おに』ではないと認めたのか、先程よりも男の纏う空気は穏やかだった。

「ではまず、私のことをどう聞いたか教えて頂戴な。」

「人間と外が嫌いな引きこもり」

「まっっっったく違うわね、それはきれいさっぱり忘れてよくってよ。」

思わず半目になった。なんだそれは。

「まず私は出ないんじゃなくて出られないのよ。監禁されてるから。人間は確かに嫌いだけれど、外は好きよ。」

「ほぉ。」

興味深く聞く男には街の状況の他に、鬼殺隊とやらのことも教えてくれた。
人喰い鬼を斬る組織なのだとか。鬼は日輪に焼かれるか、特別な刀で頸を斬らなければ死なないらしい。成程。先程私の首の前に持って来たアレが「特別な刀」か。

「で、私の異能をけっきじゅつ?とやらだと思ってここに来たと。」

「そうだ。」

「へぇ…」

本当に、聞けば聞くほど外の世界への想いが募る。行きたい。見たい。触りたい。感じたい。気づいた時には声を出していた。

「私をここからお出しなさいな!」

「…は?」

何言ってんだこいつ、と言う視線を感じる。しまった、本題を話すには早すぎたか。

「…出してくれたらなんでも一ついうことを聞くわ。私は自由になりたいの。」

「なんでも、ねぇ…」

「あ、いやらしいのはダメよ。」

「んなわけねぇだろうが」

真剣に考える男になんでもは少し言いすぎたかな、と考えていると、男がお前、と私を呼んだ。

「異能で病の類は治せるか。」

「えっと…病によるわね。」

そうか、と窓の方へ歩いて行き窓の外へ何故か腕を出した。するとバサバサと何かがとまる。

(あれは…鴉?)

奴は一体何をしようとしているのか、てんで分からなかった。
少しして、再び鴉を空へ飛ばした男は戻って来て早々私に言った。

「許可が出たら、ある御方を診てもらいてぇ。それが条件だ。」

「それぐらいでいいの?」

「あぁ。俺は宇髄だ。宇髄天元。」

名乗ったのは、信じてもらいたいからか。まぁ呼び方に困っていたのでこちらとしても好都合だ。

「えぇ、よろしく、宇髄。」
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