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【鬼滅の刃】あかいえにしは ゆめをみる。

第2章 柱〈前〉


そうですか…と考えこむ胡蝶に疑問を抱く。なぜ急にそんなことを聞くんだ。それがどうした、と聞くとこれはあくまで私の仮説ですが、と言葉を並べた。

「恐らく緋縁さんは、体質的に痛覚に過剰反応してしまうのかもしれません。」

「…どう言うことだ?」

「普通の人より痛みに弱いのかもしれない、と言うことですよ。それなら骨折で意識を失ったのも頷けます。」

宇髄は目を見開く。薬学や医療に詳しい彼女が言うのだから相当信憑性は高いだろう。

「なので、一応帰ったら緋縁さん本人に確認してほしいんです。」

「あぁ、分かった。世話になったな。」

椅子から立ち上がり部屋から出る。そして風柱邸まで走った。胡蝶の言葉が頭の中を反響し続ける。痛覚に過剰反応?鬼殺隊に関わる以上、鬼と対面する可能性がないとは言い切れないだろう。その時、怪我でもしたら…
もしや、あいつは鬼殺隊にいることさえ難しいのでは。あいつが知ってるのかは分からないが、もし、知らなかったとしたら…そんな考えが、頭からどうしても離れなかった。





「知っているけど。」

「…そうかよ。」

帰って来て私の部屋に声もかけず入って来て開口一番に何を言うかと思えば。
痛覚に過剰反応を示す体質って…難しい言い方しないでほしい。

「そんなこと聞くために無断で入って来たの?」

「阿呆。ド派手に重要なことだろうが。」

「ド派手に重要って何よ。」

そんなことはどうでも良いとばかりに睨んで来た。ほんとなんなんだ。

「そんなんで鬼殺隊入る気か。やめとけ。鬼と遭遇したら一瞬で死ぬ。」

途端に低くなる宇髄の声に息を呑む。如何やら思ってたよりも余程重要な話らしい。

「誰が鬼殺隊に入ると言ったの?私は支援するだけよ。」

「それで鬼舞辻に目をつけられたら如何する。」

「鬼舞辻って誰…まぁその時はその時ね。」

「お前…!」

宇髄が苛立っていくのが分かる。私はかなり無謀なことを、いや、甘ったれたことを言っているのだろう。自分でも分かっているつもりだ。たとえ鬼舞辻が何者か分からなくても会ったら不味い相手なことぐらい宇髄の表情を見て察しがついている。だけど、それでも。

「宇髄、私自身がやるって決めたんだから、諦めたくないの。そうじゃ無いと…」

あの子に、顔向けできないから。
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