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【鬼滅の刃】あかいえにしは ゆめをみる。

第2章 柱〈前〉


そういい黒い笑顔をドス黒い笑顔に変える胡蝶さん。宇髄のやつ、消し炭になってたりしないだろうか。

「不死川さんも。手加減ぐらい覚えてください。ここは蝶屋敷です。怪我をした隊士が溢れるほどいるのをお忘れなく。」

要約すると無駄に怪我人持って来てんじゃねぇってことだな。どいつもこいつもですね…と両手の拳でシュッシュッと目で追えない速さで空気を殴る胡蝶さん。柱の中で一番怖い気がする。

「胡蝶、世話をかけたわ…です。」

日本語が変になった。極度の緊張というやつだ。あら、と笑う胡蝶さん。

「いいんですよ、怪我人を手当てするためにここはあるんですから。」

おいさっき言ってたことと全然違うぞ。不死川さんは特に何も言わない。なるほど、これが胡蝶さんの通常運転ってわけだな。こえぇ。思わず身震いした。

「とは言っても、今は貴女は不死川さんの家にいなければなりませんし…申し訳ありませんが、風柱邸でお休みになってください。お館様の意向ですから仕方ありません。来週はうちなので、それまで我慢してくださいね。」

「は、はあ…」

そうだった。一週間だったな。失念していた。骨折したからと言ってここにいますとは言えない。伊黒あたりに騒がれそうだ。

では、お大事になさってくださいね。と微笑まれながら蝶屋敷を出た。勿論この時代にタクシーなんて物はない。徒歩である。歩く度ズキズキと痛むのには流石に参った。覚えておけ筋肉達磨。

やっとこさついた風柱邸。すぐに横になりました。ゔゔゔ…って感じで終始唸ってたから不死川さんがスゴクスゴイ目でこちらを見ていたことには純粋に傷ついた。

「あれ…今年厄年かしら…?」

布団の上で呟く。本来ならば今頃泊めてもらうお礼にご飯でも作って掃除して…とか計画してたのに。食べてくれるかはともかく。

お日様をに照らされた庭を眺めながら一人ため息をついた。いった。





「宇髄さん?あれほど変なことはするなと言いましたよね?聞いてますか宇髄さん?派手派手言って大事なところで踏みとどまらないからこういうことになるんですよ。分かってます?」

胡蝶の鋭い言葉が痛い。宇髄はこれに耐えられる冨岡をほんの少し見直した。

確かにこいつ、胡蝶の腕は良い。お館様のお墨付きだ。だが、自分までついて行くことなかったのではないか。こうなることは分かっていた筈だぞ。
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