第2章 柱〈前〉
ブフッと宇髄が吹いた。ハイハイ合ってないんでしょ。自分でも思ったから。ほっといてほしい。切実に。
「可愛いけれど違うわ。私はね、恋柱!」
「あ、蜜璃っぽい。」
「でしょう!」
確かに髪色も恋っぽい桃色だものね。私はお花っぽい子だと思ったけれど。耀哉さんも考えたものだ。
「宇髄は…筋肉柱。」
「なんだその地味な名前は。」
「私にとっては派手な方…って、これは前にやったわよ!」
「こっちが言いたいな。」
音柱だった。割と本気で派手柱だと思ってたんだけど。音柱かぁ…なんか…
「宇髄っぽくない」
「あ''?」
「ナンデモナイデス」
仕方ないじゃないか。割と本気で派手柱だと思ってたんだから。
ぶいぶい言ってると何してんだと言わんばかりに不死川さんが割り込んでくる。
「無駄口叩いてねェで鍛錬付き合えやァ宇髄ィ。」
「やることねぇのに無駄口叩かねぇでどうすんだよ。派手に付き合ってやる。」
「結局やるのね。それなら蜜璃にいろんな事聞いとくわ。」
「あ、緋縁ちゃん、私二人の見取り稽古したくて…一緒にどう!?」
「え…あー…じゃあ、お邪魔しようかしら。」
見取り稽古ってなんだろう。見るだけなのかな。それなら私にも出来る…かもしれない。庭に出て竹刀を握る二人に緊張感を覚えながら蜜璃ちゃんの横に座った。
「手加減すんなよォ」
「お前相手に出来る訳ねぇだろう…が!」
言い終える前に宇髄が消えた。目で追えなかった事に驚愕しながらも宇髄を探す。あ、不死川さんの前にい…まって今度は二人とも消えたんだけど!速すぎるんだって!見えない!全然見えない!軽く柱を舐めていた。人間やめてるわ。私の異能に引けを取らない。蜜璃ちゃんもあんな動きするってこと?…うわぁ…
宇髄と不死川さんの手合わせが終わる。あれだけ動いたのにお互い息切れもしてないことに気付いた時は改めて人間か疑った。
「宇髄さんのブンッてしてガーッってやったときの不死川さんの避け方凄かったわ〜!」
「見える、んだ…」
そうだった。蜜璃も柱だった。表現の仕方が変わってるけど…なんだか違う。私の思ってた見取り稽古と違う。言葉を忘れるってこう言うことなのか。ポカンとしている私に宇髄がニヤリと笑う。待て待て、嫌な予感が
「そうか、お前もやってみたいか!」
当たった。嫌な予感当たった。