第2章 柱〈前〉
宇髄と蜜璃ちゃんに続いて家に入る。そうか。宇髄は三人も奥さんがいるんだっけ。最初にちょっと聞いてたから驚きはしないが。名前はまきをさん、雛鶴さん、須磨さんね。よし覚えた。
「お帰りなさいませ、天元様ぁ!」
抱きついて来たのは黒い髪の胸が大きい甘えた上手っぽい胸が大きい女性。胸が大きい。どうやったらあんな大きくなんの??
「コラァ須磨!天元様はお疲れなんだよ!お帰りなさいませ!」
あ、この人須磨さんか。と頷いた。その須磨さんを力一杯殴ったのは前髪を二つに分けた胸が大きい女の人だ。前髪だけ金髪なんだ…あと胸が大きい。
「ふぇーん、天元様ぁ…まきをさんが殴ったぁ…」
「あーよしよし、派手に仲良くしろ。」
な、なんだこのスパダリ感。するってぇとあの人はまきをさんか。残るは雛鶴さんだが…
「お帰りなさいませ、天元様。風呂はもう出来てますよ。あら、甘露寺様。息災で何よりです。」
「三人とも、お久しぶり!」
蜜璃ちゃんと話をしてる人が雛鶴さんだな。おっとりしてて胸が大きい可愛い人だ…それから胸が大きい…
って私はおっさんか!胸しか見てねぇじゃねぇか!
「あら?天元様、その子は…」
どこに頭をぶつけようかと考えていると須磨さんに見つかった。取り敢えず会釈する。
「あら、可愛いお巫女さんですね。」
「これから一週間うちで預かることになった。雛鶴、着物出してやってくれ。」
「はい。」
なんか…雛鶴さんってお母さんって感じだ。じっと見つめていると微笑まれた。くぅ、すげぇ美人。
「ひ、緋縁と言います。一週間お世話になります。」
「わあ、よろしくお願いします、緋縁さん!」
「はい、よろしくお願いします、須磨さん。」
「もう名前覚えたのかい?私はまきを。よろしくね、緋縁。」
「はい!」
皆眩しい。キラキラしてる。蜜璃ちゃんや蝶の髪飾りの人に会って多少は慣れたと思っていたのに。美って怖い。
「緋縁、こっち来い。」
「あ、えぇ。」
「私も行くわ!」
宇髄に呼ばれ通されたのは広いお部屋。聞くと宇髄の部屋らしい。広い部屋使ってんなぁ…
「まぁ座れや。」
そう言われるがまま蜜璃ちゃんと共に置かれた座布団の上に座る。
「…さっきのやつは。」
「あ、ぁ…その話ね。成程。」
気になっていたのか。確かに落ち着いたところで話したいわな。